2026.10.5
DX・AI活用
介護事業所のAIはChatGPT・Gemini・Claudeのどれ?|比べる前に、管理者が1つにそろえる理由
「ChatGPT、Gemini(ジェミニ)、Claude(クロード)。職員から『なにが違うんですか?』と聞かれて、答えられなかった」
「職員がそれぞれ別のAIを使っていて、教えようにもわからない」
「比較の記事を読んでも、介護の仕事との相性が分からない」
職員みんなでAIを使い始めようとすると、どのAIが使いやすいのか分からず、迷っていませんか。
結論からお伝えすると、比べるより先に、事業所で使うAIを1つにそろえてください。迷ったら、ChatGPTで大丈夫です。どれを選ぶかより、みんなが同じAIを使っていることのほうが、事業所にとって大切なんです。この記事では、1つにそろえる理由と、お金を払うタイミング、私が乗り換えでつまずいたことをお伝えします。
- 職員に「どれを使えばいい?」と聞かれたときに、「うちはChatGPTにそろえる」と理由つきで答えられる
- 1つにそろえると教える時間とお金のコストについて、職員や経営者に説明できる
- お金を払うのは「物足りなくなってから」と判断できる
比べる前に、事業所で使うAIを1つにそろえる
事業所でAIを使うなら、まず「うちはChatGPTを使う」と決めてください。
職員がそれぞれ好きなAIを使うと、困るのは教える側です。Aさんは ChatGPT、Bさんは Gemini、Cさんは Claude。こうなると、管理者は3つの画面を覚えて、それぞれに合わせて教えることになります。職員どうしで、うまくいった頼み方をまねし合うこともできません。
AIの性能を比べるのは、職員みんなが1つのAIに慣れてからです。
一つの道具をある程度使いこなさないと、比較することはできませんよね。
とはいえ、「そもそも3つはどう違うの?」と気になる方も多いはずです。先にそこから解説します。
ChatGPT・Gemini・Claude、介護の仕事で違いはある?
正直に言うと、「介護の仕事ならこのAI」と言えるものは、私にはありません。
私は3つとも使ってきました。記事を書く、画像を作る、動画を作る、仕事の壁打ちをする、資料や企画をつくる。使い道はさまざまです。いまは文章の相談はClaude、画像はChatGPTがメインで、Geminiは使わなくなりました。
私がふだん頼むことなら、3つのどれに頼んでも、仕事に使える答えが返ってきました。「この仕事はこのAIでないとできない」と感じたことはなかったんです。
違いを感じるのは、会話の感じです。これはあくまで私の体感ですが、職場にいる人にたとえると、こんな違いがあります。

もう1つ、事業所でGoogleドライブを使っているなら、Geminiの名前が挙がります。Googleドライブの画面の右上にある「Geminiに相談」から、ドライブの中のファイルについて質問したり、中身をまとめてもらったりできるんです。ただし、この機能は対象になるGoogleの有料プランに入っている必要があります。
私も会社でGoogleのサービスを使っていて、ドライブでファイルを開いたときに、AIに中身を文字にしてもらうことはあります。ただ、Geminiを組み合わせて仕事を回すところまでは、まだ使い込んでいません。ここは私自身も、これから確かめていくところです。
出典:Google ドライブ ヘルプ「Gemini in Google ドライブを活用する」
介護の仕事で大きな差がないのなら、何を基準に1つのAIを選べばいいのか。
私の答えはつぎのとおりです。
最初の1つにChatGPTを選ぶ3つの理由
AIを初めて使う事業所から「どれを使えばいいですか?」と聞かれたら、私はChatGPTをおすすめしています。理由は3つです。
1. 名前を知っている人が多い
「聞いたことがある」AIなら、初めて使う職員も身構えずに始められます
2. 使っている人が多い
分からないことがあっても、同じChatGPTを使っている人に聞けます
3. 無料で始められる
合わなければやめればいいので、事業所の負担がありません
ただし、これは2026年10月時点のおすすめです。AIは日進月歩でアップデートしています。毎日使っている私でも、その情報を把握することで精一杯です。数か月後には、おすすめが変わっているかもしれません。
2026年9月30日(アメリカの時間)にも、GoogleがGeminiの新しいモデルを発表しました。ただ、10月時点ではまだ一部の専門家しか使えません。AIは、こうした入れ替わりが毎月のように起きています。
出典:PC Watch「コーディングも法務もGPT-6 Astra超え。Google『Gemini 4 Argon』」
では、職員みんなでChatGPTにそろえると、事業所には何が残るのでしょうか。
1つにそろえると、教える時間とお金が減る
AIを1つにそろえると、管理者が職員に教える時間が減ります。
画面が同じなら、「左下の名前を押して、ここを開いて」と、みんなに同じ言葉で教えられます。職員がつまずいた場所も、管理者が自分の画面で確かめられます。3つのAIに合わせて教え分ける必要がなくなるんです。
そろえておくと、ほかにもこんな良いことがあります。
事業所オリジナルのAIの使い方やコツを、みんなで使い回せる
「うちは訪問介護で、家族への文はやわらかく」のような前提を1つ作れば、全員がそのまま貼って使えます
学習オフの設定を、全員分確かめやすい
入力した内容をAIの学習に使わない設定が、どの画面のどこにあるかを1つ覚えれば済みます
お金を払うときも、払い先が1つで済む
有料にするとき、AIごとにばらばらに払わずに済みます

教える時間は、人件費そのものです。管理者や先輩職員が、3つの画面に合わせて教え分けていた時間は、そのままお金がかかっています。1つにそろえれば、その時間を利用者さんや、ほかの仕事に回せます。
どのAIを使うのか、1つにそろえておくと、誰がどんな使い方をしているかが把握しやすくなります。これを良いと考えるか、気になると考えるかは、事業所や法人の考え方しだいですが、私は1つにそろえておくことをおすすめします。
理由は、単純です。管理者が部下の仕事を把握できるようにするのは当たり前だから。
介護業界で、「部下」という言い方は聞き慣れなくて抵抗があるかもしれません。聞き慣れなくても、「上司」「部下」という関係性があることはしっかりと認識しておくべきだと考えます。そのため、部下が日々使っているツールの中をしっかり把握できるのは当然、という考え方です。
なお、職員の使い方の中身まで管理者が確かめられるのは、事業所向けのプランにしたときです。無料の個人アカウントのままでは、会話の中身は見られません。
「職員みんなで始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない」と感じたら、オンラインで30分、ChatGPTの最初の設定と使い始めを一緒にやってみます。
お金を払うのは「物足りなくなってから」
最初は、無料のChatGPTで大丈夫です。
2026年10月時点で、ChatGPTの無料版は、文字でのやりとりに回数の上限がありません。記録の文を整える、家族への案内の下書きを作る、分からない言葉を調べる。こうした使い方なら、無料版で困ることはほとんどないはずです。
お金を払うのは、使い慣れてきて「物足りない」と感じたときです。画像をたくさん作りたい、長い資料を読ませたい、もっと使いこなして仕事の手間を減らしたい。そう思えたときが、払いどきです。
3つのAIの料金を、表にまとめました。職員みんなで有料にするなら、いちばん下の「事業所向け」のプランもあります。
| ChatGPT | Gemini | Claude | |
|---|---|---|---|
| 無料 | 0円 | 0円 | 0円 |
| お手頃な有料 | Go:1,400円 | Google AI Plus:725円 | なし |
| 標準の有料 | Plus:3,000円 | Google AI Pro:2,900円 | Pro:約3,500円 |
| たくさん使う人向け | Pro:16,800円から | Google AI Ultra:14,500円から | Max:約17,400円から |
| 事業所向け(1人あたり) | Business:3,850円(税別) | Google Workspaceの有料プランに含まれる | Team:約4,300円 |
※月払いの金額です。ChatGPTのBusinessだけ税別、ほかは税込です。Claudeはドルでの支払いのため、1ドル=158円(2026年10月2日ごろ)で円に直した目安で、為替によって変わります。料金は変わることがあるので、申し込む前に各社の公式ページで確かめてください。
出典:ChatGPT「料金」/Google「Google AI プラン」/Claude「Pricing」
ちなみに私は、いまClaudeは有料のプラン、ChatGPTは有料のいちばん安いプランを使っていて、Geminiにはお金を払っていません。使ってみて、仕事に必要になったところにだけ払っています。
課金をしたのに、「今月はあまり使わなかったし、来月も使わないかもしれないから課金をやめよう」といった判断をしてしまうのは、とてももったいないんです。やめる前に、まず「何に使うか」を決め直してみてください。
仕事道具にお金を払うことは、いわば「投資」です。仕事道具に投資をして、生産性を上げて(業務をスムーズにして)、売上を上げる。本来はこの考え方なんです。
とはいえ、介護業界は報酬も少なく、毎月の数千円も無駄にできません。だからこそ、まずは無料で始めて、投資効果が期待できるのであれば課金をする。この順番をおすすめします。
乗り換えで私がつまずいたこと
私はずっとChatGPTをメインに使っていました。Claudeは文章が得意だと聞いていましたが、なんとなく触る気になれなかったんです。乗り換えたのは、Claudeに、パソコンの中の作業まで代わりに進めてくれる機能(エージェント型AI)が出てきたときでした。
乗り換えたときに、つまずいたことが2つあります。
1. 前のAIに書いておいた設定を移すのが面倒だった
自分の仕事や頼み方の前提を、新しいAIにコピーして貼り直しました。作業はコピペだけですが、その手間が面倒でした
2. 会話の感じに慣れるまで時間がかかった
同じように頼んでも、返ってくる言い方が少しずつ違います。その違いに慣れるまで、やりとりがぎこちなくなりました
私ひとりでも、これだけの手間やストレスがかかりました。3人以上の職員がそれぞれ別のAIを使っていて、途中で別のAIに乗り換えるとなると、この手間やストレスが職員の人数分かかることになります。
どのAIを使うかは管理者が決める
事業所でどのAIを使うかは、管理者が決断しましょう。
仮に、部下に「ChatGPTとGeminiとClaude、どれがいい?」と聞いても、答えは人それぞれです。ふだん使い慣れているAIを挙げる人もいれば、「どれでもいいです」と答える人もいて、なかなか1つに決まりません。
それなら、管理者が決めてしまったほうが、事業所にとって都合がいいんです。理由は3つあります。
1つ目は、教える人が使い慣れたAIなら、そのまま教えられること。管理者が自分で使ってみて、つまずいたところも分かっているAIなら、職員に教えるときも迷いません。
2つ目は、お金の判断と一緒に決められること。有料にするか、事業所向けのプランにするかは、事業所のお金の話です。使うAIとお金の話を同じ人が決めれば、話が早く済みます。
3つ目は、職員が迷わずに始められること。「うちはこれを使う」と決まっていれば、職員は選ぶ手間がなく、使い方を覚えることに時間を使えます。
部下の意見は聞きつつ、最後は管理者が「うちはこれを使う」と決めて伝える。それだけで、職員みんなが同じ場所からAIを使い始められます。
まずは無料のChatGPTで、今夜の晩ごはんの相談から
ChatGPT、Gemini、Claude。どれを使うか迷ったら、まずは無料のChatGPTを使ってみてください。
仕事で使うなら、いつものGoogle検索の代わりに、分からないことをChatGPTに聞いてみるところから。仕事で使うのにまだ抵抗があるなら、「冷蔵庫に鶏肉とキャベツがあるんだけど、今夜の晩ごはんは何がいい?」と、晩ごはんの相談から始めてもかまいません。
管理者のあなたが使い慣れたら、「うちはChatGPTにそろえる」と職員に伝えてください。自分でやってみて難しければ、一緒にやります。
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