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2026.9.29

DX・AI活用

介護の求人キャッチコピーはChatGPTで作れる|「アットホームな職場」で埋もれないための頼み方

「求人サイトにもハローワークにも出しているのに、応募がぜんぜん来ない」

「ChatGPTで求人の文を作ってみたけど、どこかで見たような文しか出てこない」

「求人の一覧を見ると、どこも『アットホームな職場』『未経験歓迎』ばかり」

管理者として求人を任されていると、こんな悩みを抱えていませんか。

ChatGPTは、求人のキャッチコピーを作るのにとても役に立ちます。ただ、頼み方しだいで、ほかの事業所と同じような文になってしまうんです。この記事では、ChatGPTから「アットホームな職場」と提案されないための相談の仕方(プロンプト)を紹介します。求人サイトやハローワークに載せる文を作ったあと、その文をA4の求人チラシに使う方法もお伝えします。

この記事でできるようになること

  • ChatGPTの答えが「アットホームな職場」ばかりになる理由が分かる
  • いま欲しい人を箇条書きで渡して、あなたの事業所オリジナルの求人内容をChatGPTと作れる
  • できた文が誇張していないか、実態と合っているかを確かめられる

なぜChatGPTに頼むと「アットホームな職場」ばかりになるのか

ChatGPTに「介護の求人のキャッチコピーを作って」とだけ頼むと、よく見かける言葉が並んだ文が出てきます。なぜそうなってしまうのか。それは、事業所のことを何も伝えていないからなんです。

ChatGPTは、前もってたくさんの文章を読んで学んでいます。そのうえで、頼まれたことに対して「次に来そうな言葉」をつないで文を作ります。材料が少ないと、世の中でいちばんよく使われている言い回しを持ってくるんです。介護の求人でいえば、それが「アットホームな職場」「未経験歓迎」「やさしい先輩が丁寧に教えます」です。

こう頼むと、こんな文が出てきやすい(例)
頼み方
「介護の求人のキャッチコピーを作って」
出てきやすい文
「アットホームな職場で、あなたも一緒に働きませんか?未経験・ブランクOK!やさしい先輩が丁寧に教えます」

間違った文ではありませんが、こういった文章が返ってくると「なんだChatGPT使えないじゃん」と感じてしまいますよね。求人サイトの一覧に同じような文がずらりと並んでいますが、仕事を探している人は、自分の条件に合うところをキャッチコピーから探しています。同じようなキャッチコピーでは、あなたの事業所の求人も、ほかの事業所の求人に埋もれてしまうはずです。

求人内容をみてもらう、良い印象を持ってもらうためにもキャッチコピーがほかの訴求と異なると、それだけで目を惹くものになります。

では、どう頼めば、あなたの事業所だけのオリジナルの訴求文章になるのでしょうか。

ふつうに頼むと「アットホームな職場」のような文になり、欲しい人を箇条書きで渡すと「朝8時から10時の2時間」のような事業所だけの文になる比べ図

似た文にしないコツ①:いま欲しい人を、箇条書きでどんどん渡す

似た文にしない一番のコツは、「いま、どんな人に来てほしいか」を具体的にChatGPTへ伝えることです。欲しい人は事業所ごとに違うので、それを伝えれば、文も事業所ごとに違ってきます。

たとえば、つぎのような相談があったとします。

「訪問介護の管理者です。職員は8人。求人サイトとハローワークに出していますが、この半年、応募がほとんどありません。求人の文は前任者が書いたものをそのまま使っています。ChatGPTで作り直したいのですが、何と頼めばいいですか?」

私なら、まずこう打ち込んで相談を始めてもらいます。

ChatGPTへの頼み方
「求人について相談させて。訪問介護の管理者です。職員は8人。求人サイトとハローワークに出していますが、この半年、応募がほとんどありません。いまの求人の文は次のとおりです。どのように変えるといいでしょう?
(ここに、いまの求人の文を貼る)」

ただ、ここまでだと、実は物足りないんです。なぜだかわかりますか?ChatGPTに壁打ちをしても、ありきたりな回答しか返ってこないのは、ChatGPTに、あなたの事業所がいま欲しい人が、まだ伝わっていないからです。

そこで、欲しい人を箇条書きで伝えてください。たとえば、こんなことです。

欲しい人の書き出し(例)
・朝8時から働けるパートさんがほしい
・サービス提供責任者(サ責)の候補がいないので、サ責を目指したい人に来てほしい
・車の貸し出しはしていないので、自転車で移動できる人
・事務とヘルパーの両方ができる人

きれいな文にする必要はありません。頭に浮かんだことを、どんどんChatGPTに入れてください。「朝8時から」「自転車で回れる」「サ責を目指せる」。こうした状況は、その事業所にしかないものです。ChatGPTはそれを材料にして文を作るので、ほかの事業所と同じ文にはなりにくいんです。

欲しい人を伝えると、募集の文がこう変わる(例)
「朝8時から10時の2時間。スキマ時間で、お小遣いをかせぎませんか?」
「移動は自転車でOK。車の運転ができなくても働けます。」
「サ責の候補を探しています。資格を活かして、次の一歩に進みませんか?」
「事務もヘルパーも。両方の経験を活かせる職場です。」

似た文にしないコツ②:1〜2回の答えで決めず、納得いくまで壁打ちする

もう1つのコツは、ChatGPTの1回目や2回目の答えを「いちばん良い答え」と思わないことです。

ChatGPTは、聞き直すたびに答えを出し直してくれます。「朝8時からのことを、いちばん前に出して」「サ責を目指せることを、もう少し具体的に」「堅すぎるので、話しかけるような言い方にして」。こうして何度もやりとりしながら考えを固めていくことを、壁打ちといいます。壁にボールを打ち返してもらうように、ChatGPTに考えを返してもらうんです。

1回目の答えは、あなたが最初に渡した材料だけで作った文です。やりとりを重ねるほど、あなたの頭の中にあった「本当はこう伝えたい」が文に整理されていきます。納得のいくまで、何度でも聞き直してください。

とはいえ、「欲しい人」と言われても、すぐには浮かばないこともあるはずです。そんなときは、どうすればいいのか、次の項目で解説をします。

欲しい人が浮かばないときは「一緒に整理して」から始める

欲しい人がはっきりしないときは、整理するところからChatGPTに手伝ってもらいましょう。

ChatGPTへの頼み方
「求人をかけるんだけど、募集内容を一緒に考えてほしい。どんな募集の文にすればいいか悩んでいるので、一緒に整理するところから始めて」

こう頼むと、ChatGPTのほうから「どんな時間帯に人が足りていませんか」「どんな資格の人を探していますか」と質問してくれます。答えていくうちに、頭の中のもやもやが、欲しい人の言葉になっていきます。

ふだんからメモをとっておくのもおすすめです。「この時間に入れる人がいれば」「この仕事を任せられる人がいれば」と思ったときに、スマホのメモに1行残しておく。求人の文を作るときに、そのメモをそのままChatGPTに貼れば、材料になります。

伝え忘れると、ChatGPTは想像で回答をつくる

ChatGPTと求人の文を作るときに、知っておいてほしいことがあります。本来は必要な情報を伝えきれていないと、ChatGPTは、それまでの会話から「こんな感じかな?」と想像(正しくは推論)して足りない情報を埋めようとします。

たとえば、こんなことが起きます
働いている人数を伝え忘れたまま文を作ってもらうと、本当は8人なのに「10人の仲間が待っています!」と書いてくることがあります。

これを見て、がっかりしないでください。ChatGPTは、足りない情報を想像力で補ってくれようとしたんです。人間らしく言うと、気を利かせてくれた感じでしょうか。間違っている箇所を見つけたら、「働いているのは8人です」と訂正してあげればOKです。

ChatGPTが間違えたときの伝え方は、別の記事でくわしく紹介しています。

では、想像で埋められた言葉がそのまま求人に載らないようにするには、どこを確かめればいいのでしょうか。

ChatGPTの答えは、うのみにせず確かめる

ChatGPTの答えは、それらしく見えても、あなたの考えに共感したとしても、それを絶対の正解と受け取らないでください。ChatGPTは、間違っているときも自信のある言い方をします。

求人の文を作っていると、「求人に年齢の条件を書いてもいい?」「この地域の訪問介護の時給の相場は?」と聞きたくなる場面があるはずです。ChatGPTはすぐに答えてくれますし、「やっぱりそうだよね」と思える答えが返ってくることもあります。それでも、決まりごとや数字は、ハローワークや厚生労働省の情報で確かめてから使ってください。

もう1つ、ChatGPTは「この案がおすすめです」と言ってくることがあります。でも、キャッチコピーに正解は1つではありません。ChatGPTのおすすめは、1つの意見として受け取ってください。どの文があなたの事業所に合うかを決めるのは、管理者のあなたです。

求人の文は、仕事を探している人との最初の約束です。2022年10月の職業安定法の改正で、求人を出す事業所も、うその表示だけでなく、誤解を生む表示をしてはいけないことになりました。「10人の仲間」のように、ChatGPTが想像で書いた数字をそのまま載せてしまうと、この約束を守れなくなります。

出典:厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」

載せる前に、管理者が確かめること
1. キャッチコピーが誇張していないか
「残業ゼロ」「必ず週休2日」など、実態と異なることを書いていないか
2. 数字や条件が実態と合っているか
人数・時間・給与・移動の手段が、事業所の実際の働き方と異なっていないか
3. 事業所の雰囲気と合っているか
文の言い方が、実際に見学に来た人が感じる雰囲気とずれていないか

ChatGPTは、あなたの事業所に来たことがありません。事業所の本当の姿を知っているのは、管理者のあなただけです。

「ChatGPTとの壁打ちが、うまく続かない」と感じたら、オンラインで30分、壁打ちのやり方を一緒にやってみます。

壁打ちで決めた求人の文は、A4の求人チラシにも使える

求人サイトやハローワークに載せる文ができたら、その文を、A4の求人チラシにも使えます。

まず、参考にしたい求人チラシの画像をChatGPTに渡します。そのうえで、こう頼みます。

ChatGPTへの頼み方
「この求人チラシを参考に、うちの事業所の求人チラシを作りたい。デザインのトンマナ(色や雰囲気)は同じにしないでください。ロゴはうちのマークを使います。載せる内容は次のとおりです。
(ここに、壁打ちで決めた求人の文を貼る)」

デザインは参考のチラシと似てしまうことがあるかもしれません。それでも、中に書かれる求人の文は、壁打ちで決めたあなたの事業所だけのものです。チラシの印象を決めるのは、見た目よりも「誰に来てほしいか」が伝わる言葉なんです。

チラシの見た目を自分で整えたい方は、Canvaというデザインの道具を使う方法もあります。

壁打ちで決めた求人の文と参考にしたい求人チラシの画像をChatGPTに渡し、A4の求人チラシを作る流れの図

実態に合った求人は、面接の手間を減らす

求人の文が実態に合う形に変わると、応募してくる人と事業所との食い違いがなくなります。そうすると、面接の手間が減ります。

面接で見えなかった食い違いは、働き始めてから出てきます。「朝は8時からと聞いていたのに、実際は7時半に来てほしいと言われた」「自転車で回れると思っていたのに、坂道の多い地域だった」。こうした「聞いていた話と違う」は、介護の職場ではよくある話です。

食い違いがあると、せっかく来てくれた人が早く辞めてしまうことがあります。そうなると、管理者や先輩が仕事を教えた時間は、もう一度、次に来る人のために使うことになります。教える時間は、人件費そのものです。

求人の文を実態に合わせておくことは、面接の手間を減らすだけでなく、入ってからの食い違いを減らし、教え直しにかかるお金を減らすことにもつながります。

いまの求人文をChatGPTに貼って相談する

最初の一歩は、これだけです。いま載せている求人の文をChatGPTに貼って、こう聞いてみてください。

ChatGPTへの頼み方
「応募が全然ないんだけど、どう改善したらいい?
(ここに、いまの求人の文を貼る)」

そこから、欲しい人を箇条書きで伝えて、納得いくまで壁打ちをしてください。ChatGPTは、あなたの事業所のことを教えてもらうほど、あなたの事業所だけの言葉を返してくれます。自分でやってみて難しければ、一緒にやります。

うちの求人文も、埋もれないように変えられますか?

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