2025.3.31
ビジネスのヒント
訪問介護の開業直後に顧客獲得する営業戦略|ケアマネからの紹介を増やす方法3選
「開業したけれど利用者がゼロだったらどうしよう…」
「ケアマネジャーにどうやって営業をすればいいか分からない…」
「初月から売上が全然立たなかったら…」
訪問介護の開業を控えた経営者や管理者の多くが、こんな不安を抱えています。
実際、訪問介護事業所はケアマネジャーからの紹介がなければ利用者の獲得が難しく、開業直後の経営に大きく影響を受けます。
でも、もし営業開始日を迎える時点で、すでに利用者10名が契約を待っている状況だとしたらどうでしょうか?
さらに、開業から1ヶ月後には新規利用者が倍の20名まで増え、初月売上目標100万円のうち80万円を達成できたらどうでしょう?
資金繰りに余裕が生まれ、スタッフの士気も上がり、質の高いサービスを安定して提供できる環境が整います。
経営基盤が早期に安定することで、スタッフもやりがい、働きやすさを感じ「ここでずっと働きたい」と誇りを持てるような職場づくりも可能になります。
この状況は難しいことではありません。開業前に適切な準備と戦略を立て、必要なステップを踏んでおけば十分に実現可能なのです。
介護業界はニーズが多いからこそ、マーケティング戦略なしで開業してしまうケースが多く見られます。しかし、それでは予想と異なる状況に直面した際、挽回がとても難しくなります。
そうならないために、この記事では、訪問介護の開業を半年後に控えた企業が「利用者ゼロスタート」のリスクを避け、営業開始初日から確実に契約を獲得できる具体的な営業戦略を解説します。
理想的な開業のためのステップを、ひとつずつ丁寧に確認していきましょう。
【開業3ヶ月前〜2ヶ月前】オンラインツールで認知を広げる
訪問介護事業所の開業準備において最初に取り組むべきは、「あなたの訪問介護事業所をケアマネジャーや地域住民に知ってもらう」ことです。
ケアマネジャーへの営業活動の際、オンライン上で情報が見つからない事業所は印象に残りません。
そのため、開業3〜4ヶ月前には、オンラインツールを活用した認知拡大を開始する必要があります。
① ホームページを開設し、SEO対策を行う
訪問介護の開業準備において、ホームページは「オンライン上の事業所」として最も重要な営業ツールになります。
特に重要なのがSEO対策(検索結果の上位表示)です。
例えば、ケアマネジャーが「〇〇市 訪問介護」と検索したとき、検索結果の上位に表示される事業所ほど認知されやすく、問い合わせにつながります。
開業3ヶ月前から、具体的に以下の準備を進めます。
- ホームページにSEO対策記事(月4〜8本)を投稿開始する
- 記事のテーマ例:「〇〇市 訪問介護 おすすめ」「〇〇市 訪問介護 空き状況」「〇〇市 女性が多い訪問介護」
- ケアマネジャーがよく検索するキーワードを意識して執筆
- 開業時点で合計12〜24本の記事が公開され、検索順位の上位を目指す
ホームページを早めに準備することで、営業開始前から問い合わせが入り、開業時の売上確保につながります。
② 捨てれない名刺・リーフレットで印象を残す
開業前の交流会や勉強会に参加する際、ケアマネジャーの印象に残す「名刺」「リーフレット」は必須です。
ただ情報を掲載するだけでなく、事業所の特色や魅力が伝わるデザイン・メッセージを意識しましょう。ケアマネジャーが名刺やリーフレットを捨てずに保管するのは、「次に紹介する事業所の候補」と考えているからです。
- 名刺に「女性スタッフが多い」「スタッフの平均経験年数」など印象に残る強みを記載
- リーフレットにMVV(Mission・Vision・Value)を掲載し、「どんな想いで介護サービスを提供するのか」「印象に残るキャッチフレーズ」を明確に伝える
- 「なんとなく気になる」「依頼してみたい」とケアマネジャーが感じるデザインにする
印象的な名刺やリーフレットを準備し、営業トークと組み合わせることで、営業開始時前に紹介されやすくなります。
③ LINE公式アカウントやSNSでつながりを作る準備を進める
開業直前までにLINE公式アカウントやSNS(Instagram・YouTube・X)を準備しておくことで、ケアマネジャーや地域住民とのつながりをオンラインでも築けます。
現代では、老若男女スマホを持っている時代。
しかも、LINEはほぼすべての人が使っています。
SNSは集客だけでなく、人材確保にも有効なツールです。
成果が出るまでに労力がかかりなかなか手を付ける企業がいないからこそ、そこにチャンスがあります。
具体的には以下のような取り組みを提案します。
- LINE公式アカウントを開設し、空き状況などを週1回程度ケアマネジャーに配信。LINEで簡単に新規相談を受け付ける。
- Instagramでは、事業所スタッフの紹介や日常風景を写真で共有し、親近感を持ってもらう。職場環境の発信で人材確保を狙う。
- YouTubeでは短い動画で介護知識を提供し、ケアマネジャーや利用者の家族が関心を持つ情報を提供する
- X(旧Twitter)では、訪問介護に関するお役立ち情報を発信し、介護業界の人々との交流を深める
こうしたオンライン上のつながりが、営業開始後のスムーズな紹介や問い合わせにつながり、集客が安定する戦略です。
訪問介護の開業前オンライン営業で押さえるべきポイント(まとめ)
✔ ホームページは開業3ヶ月前からSEO対策を開始し、地域で検索上位を狙う
✔ 名刺・リーフレットにあなたの訪問会議事業所を選んでもらうための理由を明確に表現する
✔ LINE公式やSNSを開設して、ケアマネジャーとの信頼関係を新しい形で築き集客につなげる
これらを事前に準備しておくことで、営業開始時には「契約ゼロ」ではなく、余裕を持った状態からのスタートが実現できます。
次のコンテンツでは、指定申請後から開業までの期間を活用し、ケアマネジャーとさらに良い関係を構築する具体的な方法を解説します。
【開業2ヶ月前〜直前】ケアマネジャーとの関係構築を徹底する
訪問介護事業所において、ケアマネジャーとの関係構築は利用者を獲得するために欠かせない重要なポイントです。
指定申請を提出してから指定通知が下りるまでの1〜2ヶ月の間、正式な営業活動は認められていませんが、指定申請の通知が届くまでのこの期間を「関係構築のチャンス」と捉え、有効活用しましょう。
では、具体的にどのようにケアマネジャーとの関係性を作っていけばよいか、順を追って詳しく解説します。
① 地域の勉強会や交流会で顔を覚えてもらう
指定申請後の期間は、正式な営業はできませんが、地域で開催される勉強会や交流会には積極的に参加することができます。
特に地域包括支援センターが主催する介護関連の勉強会や研修会には、たくさんのケアマネジャーが参加している、自然に顔見知りになれる絶好の機会です。
こうした会に参加するときは、「営業」ではなく「情報収集や地域との交流」を目的としていることを意識しましょう。
参加する際のポイントとしては、
- 名刺交換の際は、事業所名、名前、連絡先を丁寧に伝え、誠実な印象を与える。
- 自己紹介では「なぜ開業したのか」「どんな事業所を目指しているのか」など、事業所のミッションを簡潔かつ印象深く伝える。
- 話を聞いてくれたケアマネジャーには、後日、感謝の気持ちを込めて粗品を持って訪問する。
このように、営業活動が制限される期間だからこそ、営業色を出さず地域との交流を深め、営業開始時点ですでに多くのケアマネジャーに名前や顔を覚えてもらえる状態を作っておきます。
「ケアマネさんに覚えてもらえる名刺やリーフレットの作り方が分からない…」
「交流会や勉強会で印象に残る自己紹介ができるか不安…」
そんな不安や疑問を抱えている方は、ぜひ弊社にご相談ください。
介護現場を長年経験しているからこそできる、あなただけの「強み」を活かした営業ツール作成や、相手の印象に残るトーク術を丁寧にアドバイスします。
② 営業トークは「印象を残す」ことを意識する
指定申請期間中は積極的な営業活動が禁止されていますが、「自然と印象を残すトーク」を行うことはできます。
ケアマネジャーは、利用者に紹介する訪問介護事業所を選ぶとき、「印象に残っている」訪問介護事業所を思い出しやすいです。
そのため、この期間は以下のポイントを意識したトークを心がけましょう。
- 短く簡潔でわかりやすい自己紹介を準備し、事業所の特色(例:「女性スタッフが多く安心できる」「認知症ケアが得意」「スタッフが全員介護福祉士」など)を伝える。
- 自分が話すよりもケアマネジャーの話をしっかり聞き、「相手が抱えている課題や悩み」を理解する。次回会う時にはそれに役立つ情報を提供することで、より強く印象に残る。
- 常に事業所のミッション・ビジョン・バリューを一貫して伝え、ケアマネジャーに「この事業所と一緒に仕事をしてみたい」と感じてもらえるようにする。
こうした取り組みを通じて、正式な営業活動開始時には、すでにケアマネジャーから依頼が入りやすい関係性を構築しておきます。
③ ホームページやSNSを使ってオンラインで信頼を高める
交流会や勉強会で名刺交換をしたケアマネジャーが、あとであなたの訪問介護事業所をインターネットで調べる可能性があります。
そのときにしっかりとした情報を載せて置くことができていれば、好印象を与え、信頼感が高まりやすくなります。
具体的には以下のようなポイントを意識しましょう。
- ホームページに事業所の特色やミッション・ビジョン・バリューを明確に記載。さらにスタッフの写真やプロフィール、サービス概要、料金体系、空き状況など、ケアマネジャーが知りたい情報を分かりやすくまとめる。
- ブログやSNSでは、訪問介護に関する情報(具体的なケアの事例、訪問介護のノウハウなど)を定期的に更新し、情報提供を通じて信頼性を高める。
- LINE公式アカウントでは「サービスの空き状況」「訪問事例」などリアルタイムで有益な情報を配信し、ケアマネジャーが必要になった際にあなたの事業所を思い出しやすくする。
オンラインでもケアマネジャーとの信頼関係を築いておくことで、営業活動が解禁されたときにスムーズに紹介を獲得できる可能性が高まります。
「ホームページやSNSを使った集客方法がイメージできない…」
「LINE公式アカウントを活用してケアマネとの関係を築くにはどうしたらいい?」
こんな悩みをお持ちの方は、ぜひ弊社にお声がけください。
介護業界のマーケティング支援を専門とする立場から、あなたの事業所に最適なオンライン集客の方法を具体的にご提案します。
【まとめ】訪問介護開業直前のケアマネ営業で押さえるポイント
正式な営業活動ができない開業直前の期間こそ、ケアマネジャーとの自然な関係構築を徹底するチャンスです。
ここで押さえておきたいポイントを再確認しましょう。
- 指定申請後の期間を「顔見知りを増やす最大のチャンス」と考え、積極的に地域の勉強会や交流会に参加する。
- 営業色を抑えつつも、事業所の特色やミッションを伝え、強く印象に残るトークを行う。
- ホームページやSNSを充実させ、オンラインでも情報提供を徹底し、信頼感を高める準備を行う。
これらの取り組みを進めることで、営業開始後はケアマネジャーから利用者の紹介が入りやすくなり、開業直後から安定した運営・経営基盤を築くことが可能になります。
次のコンテンツでは、実際の営業開始後に紹介をさらに増やし、契約を確実に獲得するための具体的な営業手法を解説していきます。
【開業後〜初月】ケアマネジャーから確実に利用者を紹介してもらう営業方法
いよいよ正式な営業活動が始まりました。
開業前から、オンラインでの情報発信や地域の勉強会・交流会への参加を通して、ケアマネジャーとの信頼関係や認知度を高めてきましたが、ここからが本番です。
営業開始初日から契約を確実に獲得し、初月の売上目標を達成するためには、どのような営業活動を行えばよいのでしょうか?
ここでは具体的にケアマネジャーからの紹介を増やし、利用者の契約を着実に増やすための3つのポイントを解説します。
① 忙しくても、営業はする
ケアマネジャーが忙しい時間帯に訪問すると逆効果。
だけど、そんな事を言ったら、いつ営業に行けばいいかわからない。
ケアマネジャーは、基本的にいつでも忙しいです。
ですが、そこで遠慮してはいけません。
忙しいから、営業に来てほしくない反面、依頼できる訪問介護事業所を把握したいとも思っています。
忙しいケアマネジャーでも、訪問を歓迎するタイミングがあるので紹介します。
ケアマネジャーが比較的時間を取りやすいタイミングとは?
- 月初の1日〜10日(給付管理業務中)
- 11時〜13時または15時〜17時(昼前・夕方の空き時間)
- 土曜日(比較的余裕があり、情報提供を歓迎してくれる)
また、訪問時は以下のポイントを徹底すると、確実に印象を残せます。
- 訪問目的を事前に電話で伝え、「2.3分いいでしょうか?」と丁寧に確認する
- 訪問時間は長くても5〜8分以内に抑える
- 「営業」ではなく「情報提供・共有・お知らせ」の姿勢を強調する
② 営業トークは徹底して「ケアマネ目線」で
営業時にケアマネジャーが最も気にしていることは、「この訪問介護事業所に自分の利用者を安心して任せられるか」です。
「事業所の強み」や「空き状況」をただ伝えるだけではなく、「ケアマネジャーが抱える課題やニーズ」に直接響くトークを心がけましょう。
具体的な営業トーク例:
- 「認知症の方の対応が得意なスタッフが揃っています。担当ケースでお困りの方はいらっしゃいますか?」
- 「女性の訪問介護員が多く在籍しているため、男性介護員に抵抗がある利用者様の対応も安心してお任せいただけます。」
- 「当事業所は、突発的な依頼でも迅速に対応できる体制を整えています。急な対応でお困りの時はぜひお声がけください。」
こうした具体的でケアマネジャーの実務に即したトークは印象に残りやすく、次回以降の紹介につながります。
トークだけではケアマネジャーの記憶に残りにくいため、お客様の声を載せたチラシなどを別途渡しましょう。
③ 営業ツール(リーフレット・名刺)を効果的に使う
ケアマネジャーの手元に残る営業ツールとして、リーフレットや名刺の活用方法も重要です。
ケアマネが「思わず取っておきたい」「次回相談があったらこの事業所に依頼したい」と感じるツールを作成しましょう。
営業ツールで意識すべきポイント:
- リーフレットの表紙には「事業所名」「ロゴ」「キャッチフレーズ」を大きく掲載
- 名刺に「事業所のミッション・ビジョン・バリュー」や「スタッフ写真」を掲載
- 営業ツールを渡す際には、「困ったときに思い出してもらえる」一言を添える
ケアマネジャーは手元に残った印象的なツールを見返しながら、訪問介護の紹介先を決めることがよくあります。
確実な紹介獲得のためにも、営業ツールは丁寧に作成し、効果的に使いましょう。
「どんな営業ツールを作れば、ケアマネに強く印象付けられるのだろう?」
「ケアマネジャーに響く営業トークの作り方がわからない…」
こんな悩みを抱えている方は、ぜひご相談ください。
介護業界のマーケティングと現場のコミュニケーションを理解した私が、あなたの事業所がケアマネジャーに選ばれるための「営業ツール作成」や「営業トーク戦略」を丁寧にサポートします。
お気軽にお問い合わせください。
【まとめ】営業開始直後のケアマネ営業で押さえるポイント
開業後にスムーズに利用者獲得・契約を伸ばすためには、以下のポイントを押さえた営業活動が重要です。
✔ ケアマネジャーが話を聞きやすいタイミングを狙って訪問する
✔ ケアマネジャーの課題・ニーズに沿った営業トークを準備する
✔ 印象に残りやすく、手元に残る営業ツールを作成する
こうした戦略的な営業活動を実践することで、開業初日からケアマネジャーからの紹介を増やし、初月売上を安定的に達成することが可能になります。
訪問介護事業の初動の成功は、その後の安定した経営の基盤となります。
ぜひ、本記事で紹介したポイントを実践し、あなたの訪問介護事業所を理想の状態でスタートさせてください。
こんな課題を解決します
- ●地域に信頼される事業所を作りたい
- ●業務効率を上げ、スタッフ間の連携を強化したい
- ●新たに介護事業を始めたい
- ●紙業務をデジタル化し、IT環境を整備したい