2025.3.3
ビジネスのヒント
利益を高める!介護事業の持続可能な経営戦略
1. はじめに:利益を意識することが事業継続のカギ
「利益を追求するのは、お金儲けのため?」
介護医療福祉業界では、こうした考え方を持つ人も少なくありません。
✅ 「利用者のためのサービスが最優先」
✅ 「利益よりも、現場のやりがいが大事」
✅ 「お金のために仕事をしているわけではない」
もちろん、利用者を第一に考えるのはとても大切なことです。しかし、事業を継続するためには、利益を確保することも同じくらい重要です。
利益がなければ…
❌ スタッフの給与が上げられない → 人材が流出する
❌ 必要な設備投資ができない → サービスの質が下がる
❌ 経営が不安定になる → 利用者に安定したサービスを提供できない
「どんなに良いサービスを提供しても、利益がなければ続けられない」
この現実に向き合い、介護事業の持続可能な経営を考えることが、利用者にもスタッフにもプラスになります。
本マガジンでは、**介護事業における「利益を高める方法」**について、実践的な考え方と具体的な方法を解説します。
2. 利益を意識しないと、どんな問題が起こるのか?
利益を意識せずに運営すると、介護事業はすぐに経営が苦しくなります。よくある問題を見てみましょう。
① 価格設定を安くしすぎる
「利用者に負担をかけたくない」という思いから、サービス料金を低く設定しすぎてしまうと、売上はあっても利益が出ない状態に陥ります。
📌 問題点
- 低価格では利益が少なく、経営が圧迫される
- 人件費や設備投資ができず、サービスの質が下がる
- 働く時間が増えるだけで、手元にお金が残らない
📌 解決策
- 適正価格を設定する(価格=価値の対価)
- 「価格を上げるのではなく、価値を高める」視点を持つ
② 時間単価を考えずに働く
「とにかく働けば稼げる」と思っていると、時間を切り売りする働き方になり、結果的に疲弊するだけになります。
📌 問題点
- 長時間労働でも、収益が上がらない
- 働く時間が増えると、サービスの質が低下する
- スタッフの離職率が高まり、経営が不安定になる
📌 解決策
- 「労働時間 × 単価」ではなく、「価値 × 価格」で考える」
- 高単価のサービスを増やし、働く時間を減らしつつ利益を確保する
③ 経費を意識していない
売上があるのにお金が残らない場合、ムダな経費が多い可能性があります。
📌 問題点
- 不要なサブスクリプション契約やツールの利用
- 過剰な広告費や、効果の薄いマーケティング施策
- 必要以上の備品購入や、使われない設備投資
📌 解決策
- 経費の棚卸しを定期的に行い、ムダを削減する
- 費用対効果を分析し、本当に必要な支出を見極める
利益を意識せずに事業を運営すると、「頑張っているのに手元にお金が残らない」状態になってしまいます。だからこそ、利益を意識した経営の視点を持つことが大切です!
3. 利益を高める3つの考え方
「利益を高める=もっと働く、もっと売上を上げる」と思いがちですが、実際は違います。限られた時間やリソースを最大限に活用し、効率よく利益を伸ばす方法を考える必要があります。
① 単価を上げる
価格を上げることに抵抗を感じるかもしれませんが、「価格=価値の対価」であることを理解することが重要です。
📌 どうすれば単価を上げられる?
✅ 付加価値をつける → 「特化型サービス」や「専門的なケア」などの差別化
✅ 結果にフォーカスする → 利用者が得られるメリットを強調する
✅ ターゲットを明確にする → 高付加価値のサービスを求める顧客にアプローチ
例:「認知症ケア専門のデイサービス」として特化することで、一般的なデイサービスより高単価のサービスを提供する
② 無駄な経費を削減する
利益が出ない最大の原因は、売上よりも支出が多いことです。無駄な経費を削減するだけで、利益率が一気に改善します。
📌 経費削減のポイント
✅ 固定費の見直し → 使っていないツールや高額なオフィス賃料を見直す
✅ 広告費の最適化 → SNSや口コミを活用し、無駄な広告を減らす
✅ 業務の効率化 → デジタルツールを活用し、時間とコストを削減
③ 労働時間ではなく「仕組み」で稼ぐ
「働いた時間=収入」ではなく、仕組みを活用して収益を確保する考え方が重要です。
📌 仕組み化の例
✅ サブスクリプション型サービスの導入 → 定期収入の仕組みを作る
✅ 業務のデジタル化 → 繰り返しの業務を効率化し、時間のムダを削減
✅ リピート顧客を増やす → 一度契約した顧客との関係を強化し、安定収入を確保
4. 利益が高まると、サービスの質も向上する
利益を確保することで、より良いサービスを提供するための投資が可能になります。
📌 利益が高まると、こんな変化が起こる!
✅ スタッフの待遇が改善し、モチベーションが上がる
✅ 設備投資ができ、サービスの質が向上する
✅ 研修や教育を充実させ、専門的なケアが提供できるようになる
利益がなければ、どれだけ良いサービスを提供したくても続けることができません。利益を意識することは、お金のためだけでなく、利用者のためでもあるのです!
5. まとめ:利益を高めることが、事業継続のカギ!
利益を意識せずに事業を運営すると、価格を安くしすぎたり、時間を切り売りする働き方になったり、経費がかさみ資金繰りが厳しくなるなど、さまざまな問題が生じます。だからこそ、「単価を上げる」「無駄な経費を削減する」「仕組みを活用する」という3つの視点を持つことが重要です。
適正な利益を確保することで、より良いサービスの提供が可能になり、スタッフの待遇改善や定着率の向上にもつながります。持続可能な経営を実現するためには、利益をしっかりと意識し、適切に確保することが不可欠です。
次回のマガジンでは、「定期的な収入を確保するには?」をテーマに、安定した経営を実現するための仕組み作りについて解説します!
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